製品紹介/水冷オイルクーラー(テスト中)③

買う人には関係の無い話

  • 最初は、この写真のようなレイアウトから開発が始まりました。

    油温センサー先端がアダプター部分からしっかりと突き出る様にして、油温センサーが取りつく位置を少し離した場所にするレイアウトで、よくある油温・油圧センサーアダプターと大体同じようなレイアウトです。

    しかし、このレイアウトでアダプターの厚みを減らそうと思うと、油圧センサーの取り付け部寸法に規制されて、一定以上厚みを薄くする事が出来ません。

    したっがって、油圧センサーはアダプター中心から離して、油温センサーを中心近くに残すレイアウトにする事で数ミリアダプターの厚みを薄くする事ができました。

    油圧センサーが中心から離れると、レイアウトの問題でセンサーがベルト類と近くなり、何かあるとセンサーを破壊する可能性も出てくるので、油圧センサーは90度取り付け角度を変更して、センサーの位置を一か所にまとめるとこんな感じになりました。

  • 油圧センサーが遠くなった為、エア抜きが難しい為、加工上必要な経路にエア抜き用のボルトも追加しました。

    実はこのエア抜き用のボルト穴も、ただレイアウトしただけではなく、M6のセンサーを取りつけられるように、油圧センサーのオフセットや、通路の長さ等を工夫しています。

    取りつけられるセンサー寸法が規制されますが、せっかくなので有効に活用できるよう無駄に苦労した部分です。

     

    ざっくりとレイアウトを決めただけだったので、色々と検討を進めると、このレイアウトだと強度に不安が出てきました。
    油圧センサーはそれなりに重量が有り、センサーを一方に集めた為にアダプター全体の重量バランスが偏りがでて、振動に弱くなりそうな感じでした。

    従って、センサー位置を再度検討して、油圧センサーの反対側にレイアウトする事にしました。

    このレイアウトが結構微妙で、両方のセンサー位置を最適と思われる位置に配置する為に、設計しては3Dプリントして実物で確認を繰り返し、ようやくレイアウトが纏まってきました。

     

    この時点で大まかな形は現在の試作品と同じ形状になりましたが、やはりアダプター部の薄さを重視した為に、強度的に不安な部分が幾つかあるので、細かい調整で何とか出来ないかを挑戦しましたが、やはり難しく、仕方なくアダプターの厚みを増やすことで強度を確保しました。

    可能な限り薄さをキープしたいので、0.2mmずつ厚みを増やしながら位置を微調整して、何とか1ミリ以下の厚み増加で抑えることが出来ました。

    また、より強度を確保する為に、各部の穴や溝の寸法を調整する事と、如何にコストが上がらないようにレイアウトする事も大変でした。

     

    続く・・・
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